だらっと綴るぶろぐ

「好きなもの・ことを多くの人と共有したい!」主に読書、音楽、映画など紹介したいと思います。時々、日々想うことも記事にしたいと思います。

【読書】高野悦子著『二十歳の原点』を読んで。

独りであること、未熟であること

これが私の二十歳の原点である。

                 ー『二十歳の原点』冒頭よりー

 

こんにちは!のぶです。

最近めっきり気温が高くなりましたね...

春から夏へ季節の移り変わりを感じる日々です。

暗くなる時間が遅くなって嬉しい反面、

明るくなる時間が早くなって寂しい気もします。

 

 

さて、今日は以前読了した本を少し紹介できたらなと思います。

 高野悦子著『二十歳の原点

出版社は新潮文庫なのでスピンが付いています。有難や...

 

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

 

 

もし、20歳までにこの本に出逢っていれば、人生変わっていたかもしれない。そんな想いでこの本を読んでいました。自己確立の問題は、どんな人の前にも大きな壁となって現れます。これはその壁を乗り越えようと奮闘した一人の少女のお話です。以下、簡単に紹介します。ぜひ読んで下されば嬉しいです。

  1. どんな本なのか?
  2. 感想(⚠️読み飛ばしOKです。)
  3. おわりに

 

1.どんな本なのか?

 二十歳の原点は、1971年に新潮社文庫から出版されました。実は、この本はフィクションではなく、高野悦子さんが20歳の時に書かれた日記なのです。先に重要なことを申し上げますと、彼女は日記を書き始めた約半年後に鉄道自殺をします。20歳6ヶ月のことでした。ですので、彼女の死後、日記を見つけたご家族(確か父親)によって、編纂され刊行されました。

 

 

時代は、学生運動が盛んであった1960年代末。立命館大学の生徒であった彼女は、学生運動によく参加していました。また、大変優秀な生徒であったと思われます。『資本論』など多くの書籍を読み耽る様子が書かれていました。加えて、恋い焦がれる少女だったようです。日記にもよく想い人のことが書かれていました。

 

 

どんな時代でも、学生は変わらない。

勉強に熱心になる者もいれば、恋に一生懸命な者もいる。だらっと過ごす者もいれば、向上心を持った者もいます。大学には多様な色を持った学生が沢山います。その中で、自分だけの色を見つけるのは、大変難しいこと。彼女もその悩みを抱えた1人の少女でした。

 

 

自己確立の悩み、理想の自己像と現実の自分の姿とのギャップ、生死の間で揺れ動く心が、苦しいくらいに伝わってきます。彼女の日記は、自殺2日前まで続いています。「死」と「生」の狭間で揺れ動く彼女は、最後の日記において「旅に出よう」から始める詩を書いています。この時、彼女は一体何を想っていたのでしょうか。彼女の心の中をぜひ読んでみて下さい。

 

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

 

 

 

2.感想(⚠️読み飛ばしOKです)

人間が真に人間たりうるのは闘争の中においてのみである。(中略)しかし闘争する人間は、その過程の中で自己表現を行い、自己の完成に向かっているのである。                    

                          本書p.176より 

 

正直お亡くなりになる1ヶ月前、5月からの日記は読んでいて本当に苦しかったです。彼女の内部で起こる葛藤に、私自身巻き込まれたような感覚でした。私はまだ学生ですが、もう大学院生ということもあり、ある程度アイデンティティは確立されている気がします。ただ、学部時代を振り返ると、染髪やサークル、恋愛、留学など「自己」を確立するのに奮闘していた日々だったと思います。何かをしていないと何者にもなれない、そんな感覚が確かにあった気がします。

 

彼女は本書の中で、よく詩を書いています。そのどれもが綺麗な詩です。心で感じたことを綺麗に表現できる。それは、きっと”変化”によく気付く人だったからじゃないでしょうか。世界の移り変わりも、自分の変化さえも敏感に気付いてしまう彼女だったからこそ、「自己」を確立するのが苦しいものになったのではないかと思いました。

 

 

自殺は卑きょうな者のすることだ。

                          本書p.170より

 

怒りと憎しみをぶつけて抗議の自殺をしようということほど没主体的な思い上がりはない。

                                                                                本書p.190より

 

最後に彼女は鉄道自殺をします。しかし、日記の中で自殺について上記のように書かれていました。彼女は、生と死の間で揺れていました。その中で死に対して必死に抵抗した一文だと感じました。日記は自殺する2日前まで書かれています。お亡くなりになるその前の2日間は、彼女はどのように過ごし、何を想っていたのでしょうか。

 

 

3.おわりに

この記事を読んで下さいまして、ありがとうございます!

実質初めての投稿なので、手探りで書いております...

途中で文章を書く自分に酔ってしまった節が見られるのですが、

諦めました。すみません!!

そして、きっと拙い文章だったでしょう...善処します!

 

現在、住野よる著『麦本三歩の好きなもの』を読書中です。

記事にするか分かりませんが、この本も面白いです。おすすめです。

皆さんのオススメの本があれば、コメントに残してくださると嬉しいです!

最後まで読んで頂き、有難うございました!では!

 

 

のぶ

 

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)